乙部くぐり岩風景

くぐり岩の風景

余談1
ここは、駐車場からそれなりに下ってこなくてはなりません。
カメラや三脚などの機材を持って、上り下りするのはなかなか大変です。
そこで、７月１８日、寝袋を浜まで降ろせば、そのままごろ寝でも行けるんじゃないかと思い、
寝袋も持って浜へ行き、撮影をしたのでした。
そして夜中の２時ころ、さすがに眠くなったので、砂浜に寝袋を広げ、仮眠することにしたのです。
寝袋にくるまり寝る体制になると、ポツポツポツと雨の落ちてきたような音がします。
え？雨降ってきたのか？と目を開けると、空は全天の星空。雲一つありません。
変だなー寝ようと、目を閉じるとまた、ポツポツポツ…。
でもやっぱり空は星が見えて晴れています。
何かなあと、目をつぶったら、何かが目の上で暴れています。
目と、眼鏡のレンズの間で、何かがビシバシビシバシと暴れまくりです。
とても寝ていられません。
「何なんだーっ。」と、誰もいない真夜中の浜で声を出してしまいました。
起き上がり、眼鏡をはずし、目の上で暴れまくる「それ」を排除しました。
真っ暗なので、「それ」の正体はわかりません。
だめだ、ここでは寝られない。撤収しよう。
真っ暗な中、機材を片付けて、ふうふう言いながら駐車場の車に戻り、車中泊しました。
次の朝、「それ」は何だったのかを考えると、ハマトビムシとか、ヨコエビとかの、海浜性の虫であろうと思いつきました。
「それ」の襲来を防ぐには、ちゃんとテントを張るとか、広いシートを敷くとか、さらに荷物が増えることになります。
ということで、それ以来ここでごろ寝するのはやめることにしました。

余談２
ウィンドウズ１０の壁紙風の星景写真を撮ろうと、くぐり岩の穴の向こう側（北側）に陣取りました。
そしてしばらくすると、向こうの岩場から、ギャンギャンギャンと何かが吠える声がします。
ライトを照らすと、目が２つ光りました。
キタキツネのようです。
どうやら、私がテリトリーを侵犯しているようで、キツネは「お前、あっちへ行け」と言っているようなのです。
しかし、はいそうですかということを聞くわけにはいきません。こっちだって、はるばるここまで来ているんですから。
ギャンギャンギャンと、キツネは吠え続けます。うるさいです。負けていられません。
ギャンギャンギャンとさらに大きな声で私も吠え返してやりました。
真夜中の浜には誰もいないので、恥ずかしくありません。徹底的にやってやります。
ギャンギャンギャン、ギャンギャンギャン、ギャンギャンギャン、ギャンギャンギャン…。
キツネ対人間の吠え合いはしばらく続きましたが、声の大きさで人間が勝ちました。
キツネはあきらめてどこかへ姿を消しました。
クマでなくてよかったです。

余談３
ここは夜中になると、アマガエルの声がものすごいです。
こんなに海が近いのに、どこにそんなにいるんだろうと不思議でしたが、
車に戻るときに分かりました。
坂道においてある古い廃船にたまった雨水で繁殖しているようなのです。

２０２２－０１－１６　作成
２０２１－０７－１８　取材
２０２０－１０－１８　取材
２０２０－０５－２９　取材