ステラーカイギュウの悲劇

ステラーカイギュウは、１７４１年、北極海で発見されました。体長７−９メートルほど、体重４トンもある巨大な海牛でした。しかし、海草を主食とし、争うことを知らない平和な動物でした。

発見されたときは２０００頭も生息していましたが、人間に見つかったことが悲劇の始まりでした。

そのころ人間は、船での長旅をしていましたが、ビタミン不足から壊血病という恐ろしい病気にかかったりしていました。そんなとき、ステラーカイギュウの肉は、新鮮で大変おいしく栄養価も高い、格好の食物となったのです。

争うことを知らないステラーカイギュウを狩るのは簡単でした。銃を使うまでもなく、棒で殴り殺せたといいます。メスを捕まえて、船にしばりつけておけば、オスたちが助けようと寄ってきて、ロープをはずそうとしていたといいます。そこを棒で殴り殺していったわけです。

おいしくて簡単に手に入るステラーカイギュウは発見されてからわずか２７年後には、もう１匹の姿も見られなくなりました。絶滅してしまったのです。

こうしてピリカカイギュウの子孫は、もう地球上にはいなくなってしまいました。