三杉トンネルは、ふだん何の気なしに通っていると思いますが、実はなかなかおもしろいところなのです。火山の断面を垣間見ることができます。
行き方
瀬棚区市街地を島牧方向へ進むと、三杉トンネルがあります。通りぬけたところに、海水浴場の大きな駐車場がありますので、車はそこへ止めましょう。
まずは、駐車場の向かいの崖を見ましょう。
まっすぐガケに向かい合わせになると、正面のガケは右側（トンネル側）に向かってだんだん高くなるようにななめになっています。
金網がかかっているので、よくわかりませんが、層になっているので、何回かに分けてたまったガケであることがわかります。
このガケから視線を右へ動かしていくと、ガケの様子が変わってきます。
岩肌がゴツゴツしてきて、柱状節理になってきます。
こうなると、たまったものではなくて、下からマグマが突き上げてきたものです。
たまった地層がななめになっているのは、このマグマが押し上げたものと考えられます。
ガケに取り付いて調べることができないので、はっきりしたことは言えないのですが・・・。
そして、トンネルの上なども、同じような柱状節理を伴った岩からなっています。
さらに視線を海の方へ向けると、そこには三本杉岩が。
トンネルのところの岩と、感じが似ています。
これらの岩はでき方が同じと考えられます。
今は海になってしまっていますが、元々はトンネルの上のような状態だったのでしょう。それが長年の間の浸食で周りのやわらかいところが削られ、硬い岩だけが残ったのです。
想像してみてください。この岩の上に向かいのガケのようなたまった地層が重なっていたのです。
そしてそれが削られてなくなっていき、今のような状態に変わっていく様子を。
さらに辺りを見回せば、わっかけ岩もあります。この岩も同様でしょう。
この辺りには、下から突き上げてきたマグマのあとが、たくさん残っています。昔はそうとう激しい火山活動のあったところなのでしょうね。
２００５．７／３１取材